マグネットバルブの共同開発

magnet valve

お客様からの要求

永久磁石を用いたバルブのアイデアがあるので相談したい。

東和製作所の対応

イマテック株式会社より、バルブのアイデアの実現性について相談したいとの連絡を受けた。すぐにご来社されアイデアについてのディスカッションを行った。だいぶ新規性も高く開発に時間がかかる話であるが、実現の方向性に関するアイデアがいくつか出て来たため、早速簡易的なシミュレーションを行い、可能性の判断を行った。
実現へ道のりから考え、共同開発とするのが良いという両者の合意は速く、速やかに共同開発契約が締結され、原理試作が進められた。流体に係る部分と磁石に係る部分との業務分担が行いやすい事からも、共同開発体制がうまく機能し、新しいバルブの開発に成功した。

マグネトロンスパッタ装置のカソード用マグネットの製作

worker

お客様からの要求

要求する形状と磁気分布を満たすカソード用マグネットを設計、製作してほしい。

東和製作所の対応

既存の装置の修理・改造、ターゲット材の材質変更などお客様要求は1点1様。カソード用マグネットの製作実績が多くあるため、要求の磁場を発生させるために、どの磁石の材質を、どのように配列すればよいかのノウハウがあり、必要な数量を最適な納期で対応してきた。
φ3インチ、φ4インチ、φ8インチ、φ16インチ、2インチ×7インチ、5インチ×10インチ、5インチ×20インチ、5インチ×27インチ、360mm×100mm、890mm×80mm、1100mm×120mm
他にも多数あり

電子ビーム偏向用磁石(磁気回路)の製作

magnet unit

お客様からの要求

蒸着装置の試料からの反射ビームがカバーにダメージを与えているので、偏向用磁石を追加し、反射ビームをカバーに当たらないようにしたい。るつぼが近くにあるため、温度が250℃近くあり、設置できるスペースは高さが5mmしかない。
このような条件でるつぼの上面の30mmGAPの中心に、16mTの磁場を発生させたい。

東和製作所の対応

磁石を設置できるスペースが限られており、おおよその磁石の形状が決まってくる。その形状を250℃まで熱をかけたときにどのぐらい減磁するか、16mT以上を維持できるかが重要となる。設計は出来るだけるつぼから磁石を離し、磁石の掛かる温度を低減し、シミュレーションにより、温度環境での磁気特性を計算し、使用環境でも耐えうる構造を設計した。
お客様の実装の評価の結果、設計通り、反射ビームを変更することができた。

着磁した磁石の組み立て

magnetizer

お客様からの要求

ダイレクトドライブモーターの組み立てで、無着磁の磁石をローターに組み立てしたあとで着磁した場合、着磁コイルの性能上、部分的に完全に着磁できず、磁気特性のバラツキが生じていた。
試作評価の段階は着磁した磁石を組み立てて何とかなったが、量産生産ではいくつかの課題があり採用できないため、最適な組み立て方法を検討してほしい。

東和製作所の対応

モーターは無着磁の磁石を組み立て後、着磁することが多く、専用の着磁コイルが必要になりイニシャルコスト必要になる。そのため、試作や小ロットの製品について対応しにくいという面がある。磁石個々に着磁し組み立てる方法は、試作・小ロットに適しており、磁気特性のバラツキも抑えられるが、着磁した磁石の組み立ては反発・吸着するため、精度を保ちながら短時間で組み立てすることは困難である。この事から、自動組み立て装置の実現は簡単ではなく装置のコストがどうしても大きくなりがちである。
そこで、着磁後の磁石組立の経験を多く持つ当社では、自動化要素と人に頼る部分のバランスをうまくとり、生産規模と装置コストのバランスをとる事に成功した。
その結果、小ロット多品種のラインアップに対応でき、お客様のビジネスを継続的にサポートさせていただく事が出来た。

メタルマスク固定用磁石(磁気回路)の製作

clean booth

お客様からの要求

基板を均一に固定するために磁石を使用したいのだが、真空雰囲気で200℃の環境で使用できる磁気回路を設計してほしい

東和製作所の対応

磁石は熱減磁する特性があるため、200℃の環境で基盤を均一な吸着力を維持するために、磁石の材質の選定と磁気回路の設計が重要になる。
また、真空雰囲気ではアウトガスの発生に注意する必要があり、接着剤の選定も重要になる。
そのため、磁場解析から最適な材質の選定を行い、要求の仕様を満たす磁気回路の設計を行った。
実装評価から出る課題を数週間で解消し、再度の試作評価という試行錯誤を数回繰り返し、予定よりも早く完成することができた。

駆動装置用磁石(磁気回路)の改良

spiral

お客様からの要求

製造装置の駆動部を改良し、推進力を向上したいが、希土類焼結磁石ではコストと納期が合わない。

東和製作所の対応

既存のマグネット材質でスパイラル状の着磁をしていたが、減磁しやすく推力も低下してしまう。希土類焼結磁石をスキュー形状に加工し、組立を検討したが、コストと納期が合わない。
当社が70年間構築してきたネットワークを使い、希土類のボンド磁石を開発している企業と協力し、安定的に供給可能な材料の調達ルートを新規開拓した。
また、着磁コイルもメーカーと当社で共同開発を行い、スパイラル状に着磁することが可能な着磁装置を開発し、安定的に繰り返し生産が可能な体制を構築した。
その結果、駆動効率が改善しただけでなく、磁石の熱減磁が解消され、メンテナンスサイクルの長期化を実現できお客様に満足いただいている。

リニア駆動装置の開発

worker

お客様からの要求

リニア駆動装置の磁石部に傾斜をつけて、コイルとのGAPを可変させることにより、推力に強弱をつける機構を半年で開発したい。

東和製作所の対応

GAPを可変することにより磁場強度がどのように変わるかを検討するため、当時はコンピュータシミュレーションで解ききれない領域のため何回も試作評価をする必要があった。このため、安定した材料特性と、測定精度及び非常に短期間で実現するものつくり力が総合的に求められた。
当社が70年間構築してきたネットワークと磁石の加工設備を駆使し、スピーディな検証を実現でき、その結果、期間内で開発を完了し、その後、量産まで対応することが出来た。

磁気回路の磁場強度向上の開発

worker

お客様からの要求

磁気回路の磁場強度を外形寸法を変更しないで向上させたい。

東和製作所の対応

お客様仕様を満足する磁気回路を製作するために、設計については磁石メーカーの信越化学工業に技術協力をお願いした。信越化学工業は実験的な磁気回路構造の検討を行い、計算上要求を満たす設計案ができた。
しかし、信越化学工業では組み立てが困難だったため、当社で安定的に生産可能な組立方式を考案し試作から繰返し生産までの対応を実現した。

ファラデー効果用磁気回路の製作

magnet unit

お客様からの要求

100mm立方の磁気回路で内径φ数mmの軸方向の中心で1.4Tの磁気回路は市販されているが、入射光量を増加したいため内径φ10で軸方向の中心が1.0T程度の磁気回路がほしい。

東和製作所の対応

内径はφ8となったが、皿穴加工を追加することにより入射光量の減少を軽減できる設計をし、外形50mmに収まり、重量500g程度、磁場強度1.0Tの磁気回路を製作した。

カー効果用磁気回路の製作

magnet unit

お客様からの要求

磁石の垂直方向に0.8T以上、磁石の表面15mm×15mmに強度分布5%以内の磁場を発生する対向型の磁気回路がほしい。

東和製作所の対応

磁石を対向させる構造の磁気回路のご用命だったが、実験では磁石の面に斜めから十分な光を当てたいことがわかり、80mm×80mm×36mmの磁気回路の□80mmの面にお客様要求の磁場を発生できる設計をした。
磁石上空に自由な空間ができたため、光の照射の自由度が広がり、実験の効率が上がったと満足いただいた。