熱減磁した磁石(磁気回路)の修理

worker

お客様からの要求

装置の冷却機能が止まったまま稼働し、磁気回路に高熱が掛かり、磁気回路が減磁してしまった。
装置メーカーの対応は修理することは出来ないとのことのため、高額な費用と長い納期がかかってしまうが、新規の磁気回路を依頼するしかなかった。その間、一日でも早く装置を稼働させたいため、修理を検討してほしい。

東和製作所の対応

磁石とヨークの材質が特定できなかったため、新規で部材を調達し、修理することが困難であった。そこで、現品の再使用を検討し、磁気回路の一部を分解し、磁石のみを再着磁してみたが、磁石は磁化されたため、組成破壊していなかった。磁気回路を磁石とヨークに分解し、磁石を再着磁、磁石とヨークを再組み立てという行程により、磁気回路を修理することができた。装置を再稼働させ評価したが、以前と変わらない品質で製造ができることが確認でき、新規の磁気回路が入荷する半分の期間かつ、想定の半分程度のコストで製造ラインを稼働させることができた。

磁気回路のリサイクル

ends

お客様からの要求

多くの磁気回路部品を使用しているが、不要になった磁気回路の廃棄に苦労している。さらにレアアースの問題もありリサイクルできる事が望ましいと考えているが対応の検討は出来ないだろうか?

東和製作所の対応

永久磁石のリサイクルの要求は古くからあったが、着磁された永久磁石のリサイクルは技術的に困難であった。
2011年に信越化学工業において、着磁状態でもリサイクルを実現する準備がそろい当社においてリサイクル受け入れ態勢の構築を行った。
磁気回路状態から、永久磁石単体の状態に効率よく分解する作業は当社においては、組立同様慣れた仕事でもあったため、十分対応できる事がわかり、少数ではあるがお客様からのご依頼に少しずつ対応を開始した。

磁気回路の測定と解析の提案

3D magnetic field measurment system

お客様からの要求

医療用検査装置に用いる磁気的な検査機構の開発を開始した。永久磁石を購入し簡易的な実験を行ったが、想定と異なる結果が出ている。購入した永久磁石が仕様通りのものなのか疑問があるため、測定を協力してほしい。

東和製作所の対応

医療用検査装置として必要な仕様は、磁気回路状態における磁場分布との関係性があるため、磁石単体の特性とアセンブリ状態における磁場分布の2つの測定を実施した。結果的に永久磁石単体の特性ばらつきが大きい事と、アッセンブリの設計により磁場分布がばらつきやすい状態であった事を指摘しこれらを改善する事で、必要な特性を満たす磁気回路を実現できる可能性がわかった。
お客様より、測定方式等などを詳しく伺い必要な磁場分布を推測し、この条件を満たす磁気回路構造をコンピュータシミュレーションにより決定した。これにより試作対象を提案し、短期間で開発を進めるサポートをさせていただいた。

マグネットバルブの共同開発

magnet valve

お客様からの要求

永久磁石を用いたバルブのアイデアがあるので相談したい。

東和製作所の対応

イマテック株式会社より、バルブのアイデアの実現性について相談したいとの連絡を受けた。すぐにご来社されアイデアについてのディスカッションを行った。だいぶ新規性も高く開発に時間がかかる話であるが、実現の方向性に関するアイデアがいくつか出て来たため、早速簡易的なシミュレーションを行い、可能性の判断を行った。
実現へ道のりから考え、共同開発とするのが良いという両者の合意は速く、速やかに共同開発契約が締結され、原理試作が進められた。流体に係る部分と磁石に係る部分との業務分担が行いやすい事からも、共同開発体制がうまく機能し、新しいバルブの開発に成功した。