磁場配向用磁気回路(ボア径方向磁場)の製作

magnet unit

お客様からの要求

試料を配向させるため、リング型の磁気回路のボア径の中心部φ5mm×10mmの領域に0.5T以上の磁場を発生させる磁気回路がほしい。ただし、配向したまま磁場から外すためボア径方向以外の磁場を0.1T以上掛からないことが条件。

東和製作所の対応

問い合わせから1週間以内にお客様を訪問し、要件定義を行い、問い合わせから2週間で設計の第1案を提示した。
希望通りの納期で対応でき、磁場が強く、取り扱いに細心の注意が必要のため、納品時に取扱説明書をもとに説明も行った。

熱減磁した磁石(磁気回路)の修理

worker

お客様からの要求

装置の冷却機能が止まったまま稼働し、磁気回路に高熱が掛かり、磁気回路が減磁してしまった。
装置メーカーの対応は修理することは出来ないとのことのため、高額な費用と長い納期がかかってしまうが、新規の磁気回路を依頼するしかなかった。その間、一日でも早く装置を稼働させたいため、修理を検討してほしい。

東和製作所の対応

磁石とヨークの材質が特定できなかったため、新規で部材を調達し、修理することが困難であった。そこで、現品の再使用を検討し、磁気回路の一部を分解し、磁石のみを再着磁してみたが、磁石は磁化されたため、組成破壊していなかった。磁気回路を磁石とヨークに分解し、磁石を再着磁、磁石とヨークを再組み立てという行程により、磁気回路を修理することができた。装置を再稼働させ評価したが、以前と変わらない品質で製造ができることが確認でき、新規の磁気回路が入荷する半分の期間かつ、想定の半分程度のコストで製造ラインを稼働させることができた。

磁気回路のリサイクル

ends

お客様からの要求

多くの磁気回路部品を使用しているが、不要になった磁気回路の廃棄に苦労している。さらにレアアースの問題もありリサイクルできる事が望ましいと考えているが対応の検討は出来ないだろうか?

東和製作所の対応

永久磁石のリサイクルの要求は古くからあったが、着磁された永久磁石のリサイクルは技術的に困難であった。
2011年に信越化学工業において、着磁状態でもリサイクルを実現する準備がそろい当社においてリサイクル受け入れ態勢の構築を行った。
磁気回路状態から、永久磁石単体の状態に効率よく分解する作業は当社においては、組立同様慣れた仕事でもあったため、十分対応できる事がわかり、少数ではあるがお客様からのご依頼に少しずつ対応を開始した。

磁気回路の測定と解析の提案

3D magnetic field measurment system

お客様からの要求

医療用検査装置に用いる磁気的な検査機構の開発を開始した。永久磁石を購入し簡易的な実験を行ったが、想定と異なる結果が出ている。購入した永久磁石が仕様通りのものなのか疑問があるため、測定を協力してほしい。

東和製作所の対応

医療用検査装置として必要な仕様は、磁気回路状態における磁場分布との関係性があるため、磁石単体の特性とアセンブリ状態における磁場分布の2つの測定を実施した。結果的に永久磁石単体の特性ばらつきが大きい事と、アッセンブリの設計により磁場分布がばらつきやすい状態であった事を指摘しこれらを改善する事で、必要な特性を満たす磁気回路を実現できる可能性がわかった。
お客様より、測定方式等などを詳しく伺い必要な磁場分布を推測し、この条件を満たす磁気回路構造をコンピュータシミュレーションにより決定した。これにより試作対象を提案し、短期間で開発を進めるサポートをさせていただいた。

マグネットバルブの共同開発

magnet valve

お客様からの要求

永久磁石を用いたバルブのアイデアがあるので相談したい。

東和製作所の対応

イマテック株式会社より、バルブのアイデアの実現性について相談したいとの連絡を受けた。すぐにご来社されアイデアについてのディスカッションを行った。だいぶ新規性も高く開発に時間がかかる話であるが、実現の方向性に関するアイデアがいくつか出て来たため、早速簡易的なシミュレーションを行い、可能性の判断を行った。
実現へ道のりから考え、共同開発とするのが良いという両者の合意は速く、速やかに共同開発契約が締結され、原理試作が進められた。流体に係る部分と磁石に係る部分との業務分担が行いやすい事からも、共同開発体制がうまく機能し、新しいバルブの開発に成功した。

マグネトロンスパッタ装置のカソード用マグネットの製作

worker

お客様からの要求

要求する形状と磁気分布を満たすカソード用マグネットを設計、製作してほしい。

東和製作所の対応

既存の装置の修理・改造、ターゲット材の材質変更などお客様要求は1点1様。カソード用マグネットの製作実績が多くあるため、要求の磁場を発生させるために、どの磁石の材質を、どのように配列すればよいかのノウハウがあり、必要な数量を最適な納期で対応してきた。
φ3インチ、φ4インチ、φ8インチ、φ16インチ、2インチ×7インチ、5インチ×10インチ、5インチ×20インチ、5インチ×27インチ、360mm×100mm、890mm×80mm、1100mm×120mm
他にも多数あり

電子ビーム偏向用磁石(磁気回路)の製作

magnet unit

お客様からの要求

蒸着装置の試料からの反射ビームがカバーにダメージを与えているので、偏向用磁石を追加し、反射ビームをカバーに当たらないようにしたい。るつぼが近くにあるため、温度が250℃近くあり、設置できるスペースは高さが5mmしかない。
このような条件でるつぼの上面の30mmGAPの中心に、16mTの磁場を発生させたい。

東和製作所の対応

磁石を設置できるスペースが限られており、おおよその磁石の形状が決まってくる。その形状を250℃まで熱をかけたときにどのぐらい減磁するか、16mT以上を維持できるかが重要となる。設計は出来るだけるつぼから磁石を離し、磁石の掛かる温度を低減し、シミュレーションにより、温度環境での磁気特性を計算し、使用環境でも耐えうる構造を設計した。
お客様の実装の評価の結果、設計通り、反射ビームを変更することができた。

着磁した磁石の組み立て

magnetizer

お客様からの要求

ダイレクトドライブモーターの組み立てで、無着磁の磁石をローターに組み立てしたあとで着磁した場合、着磁コイルの性能上、部分的に完全に着磁できず、磁気特性のバラツキが生じていた。
試作評価の段階は着磁した磁石を組み立てて何とかなったが、量産生産ではいくつかの課題があり採用できないため、最適な組み立て方法を検討してほしい。

東和製作所の対応

モーターは無着磁の磁石を組み立て後、着磁することが多く、専用の着磁コイルが必要になりイニシャルコスト必要になる。そのため、試作や小ロットの製品について対応しにくいという面がある。磁石個々に着磁し組み立てる方法は、試作・小ロットに適しており、磁気特性のバラツキも抑えられるが、着磁した磁石の組み立ては反発・吸着するため、精度を保ちながら短時間で組み立てすることは困難である。この事から、自動組み立て装置の実現は簡単ではなく装置のコストがどうしても大きくなりがちである。
そこで、着磁後の磁石組立の経験を多く持つ当社では、自動化要素と人に頼る部分のバランスをうまくとり、生産規模と装置コストのバランスをとる事に成功した。
その結果、小ロット多品種のラインアップに対応でき、お客様のビジネスを継続的にサポートさせていただく事が出来た。

メタルマスク固定用磁石(磁気回路)の製作

clean booth

お客様からの要求

基板を均一に固定するために磁石を使用したいのだが、真空雰囲気で200℃の環境で使用できる磁気回路を設計してほしい

東和製作所の対応

磁石は熱減磁する特性があるため、200℃の環境で基盤を均一な吸着力を維持するために、磁石の材質の選定と磁気回路の設計が重要になる。
また、真空雰囲気ではアウトガスの発生に注意する必要があり、接着剤の選定も重要になる。
そのため、磁場解析から最適な材質の選定を行い、要求の仕様を満たす磁気回路の設計を行った。
実装評価から出る課題を数週間で解消し、再度の試作評価という試行錯誤を数回繰り返し、予定よりも早く完成することができた。

駆動装置用磁石(磁気回路)の改良

spiral

お客様からの要求

製造装置の駆動部を改良し、推進力を向上したいが、希土類焼結磁石ではコストと納期が合わない。

東和製作所の対応

既存のマグネット材質でスパイラル状の着磁をしていたが、減磁しやすく推力も低下してしまう。希土類焼結磁石をスキュー形状に加工し、組立を検討したが、コストと納期が合わない。
当社が70年間構築してきたネットワークを使い、希土類のボンド磁石を開発している企業と協力し、安定的に供給可能な材料の調達ルートを新規開拓した。
また、着磁コイルもメーカーと当社で共同開発を行い、スパイラル状に着磁することが可能な着磁装置を開発し、安定的に繰り返し生産が可能な体制を構築した。
その結果、駆動効率が改善しただけでなく、磁石の熱減磁が解消され、メンテナンスサイクルの長期化を実現できお客様に満足いただいている。